「歯科医院開業後も成功している先輩の本音トーク」


<転職する歯科医師へのアドバイス>「勤務医時代に積極的に臨床、マネジメント、自己啓発に努める」


摂津市南摂津駅より徒歩5分、近畿道・中央環状線より車で1分というアクセスに恵まれた地でご開業。

「治療以外においても、最大限のおもてなし」の指針を掲げ、最先端かつ安心安全な歯科医療の提供で、地元や周辺エリアから選ばれる医院を運営されています。


開業を明確に目指した時期は?きっかけは?

開業をする約3年前ですね。

 

大学や勤務医の過程の中でいろいろ心情の変化がありました。

 

卒後間もない研修医の頃は、とにかく自分の技術向上に励みました。さらに、大学時代では何か一つでも専門分野としての知識を身につけるため、継続的な努力を行い続けました。 

 

そして、ある程度技術が身についてくると、当時勤務医でしたが、一般開業医の先生方の理事長としての考え方、お金の使い方、スタッフとの関係性のあり方などに目が向くようになり、経営についていろいろと学びました。 

その頃から自己啓発にも励み、人として、歯科医師としての在り方を考えるようになりました。

 

その後、お声掛け頂いて分院長も経験しましたが、やはり自分がこれまで学んだスキルやマネジメント、マーケティングなどを活かして、自分の理念で実力を試してみたくなり開業を決意しました。

勤務医時代に、開業を想定してどのような学びを心がけていましたか?

勤務医時代は、臨床と経営、人脈作りの3本柱を中心に学びを心がけていました。

まず、臨床面では、インプラントと矯正にまつわるスキルを中心に勉強しながら、それに付随して歯周病や咬み合わせなど学びました。

 

その際のポイントは、他の歯科医師が施術困難な治療内容の技術習得でした。これは患者様が、他の歯科医院と当院を比較・検討される際のポイントにも繋がるかと思います。

 

次に、経営については、マーケティングとマネジメントと、そして院長である自分自身の人間性を高めなくてはいけないと思っていました。人間性を高めることはマネジメントの一環と言えるかもしれませんが、いくら経営がしっかりしていても、冷徹な人間に人はついてこないと思うんですよね。もしかしたら、”意外”と思われるかもしれませんが、

 

① 雇用主と従業員との関係は大学では習わないんです。

② 歯科医院経営は院長1人の力での成功は難しく、女性スタッフの力を借りないと成功しないと言ってもよいと思います。

 

だからこそ、言葉遣いや従業員との関係性など、マネジメントを重視し自己啓発に努めました。

 

最後に、人脈作りでは、セミナー講師の先生との繋がりをつくることを大切にしました。一般論ですが、人は自分と同じレベルのコミュニティに参加していると心地良いとされています。しかし、それでは成長は起こりにくいため、一歩先、二歩先にいる人と交流し、ステップアップすることを心掛けました。やはり努力している人、人間的に魅力的な人と積極的に交流しておくことが大切だと思います。

 

勤務医時代に準備しておけばよかったということは何ですか?

勤務医時代に臨床、マーケティングやマネジメント、自己啓発などを積極的に学びましたが、もっと学んでおけばよかったなと思うのは、労務・税務を含めた事務ですね。

 

これは今、MOCALさんにお世話になっています。

 

また、インテリアや文具、レセプト関係、業者選びなども開業時に苦労したので、人に頼る時の“つて”がある方が良いですね。開業当時は全て自分でやっていました。 

ホームページ作りも各種説明ツール作りなども、パソコンやモニターを買うにも、いろいろ調べてかなり勉強してから選びました。

 

でも全て自分でやるにはとにかく時間がない。

 

Mr.歯科事務長サービスがあることも当時は知りませんでしたが、餅は餅屋、任せるところは任せた方がいいと思っています。

 

ただ、開業した時は借金も背負うし、患者さんが来なかったらという不安もあるので、全部自分で背負ってやらなくちゃいけないという思いがありました。今でこそ損益分岐点や売上目標が達成されたから、いろんな人に頼れるようになったとも言えます。

 

あと、例えば友達にホームページ作りを頼んだりして、イメージと違ったものになったりすると、友達との友好関係も壊れるかもしれないので、誰に頼むかも大切ですね。

開業志向の歯科医師の勤務先選びのコツは?

まず、勤務先選びをするときに、勤務先に既に複数名の勤務医がいるところを選ばれているなら、その勤務医が何をしているのかを見た方がよいと思います。

 

勤務先の先生がインプラントをしていたら、インプラントができるでしょうし、全然自費治療をしていなくて保険中心であれば、保険中心になると思います。 

 

逆に勤務先に勤務医がおらず、院長先生しかいないのであれば、とにかくその院長とたくさん会話をして、院長の考え方、ビジョン、将来像などを見ることが大切ですね。

 

且つ、自分のキャリアアップにどう結び付いていくのかということを聞いた上でやらないと不一致になると思います。

 

つまり、単に給料と場所と福利厚生で選ばないということですね。そのため、僕が勤務先を選ぶ際は、勤務医の先生方の活躍ぶりや、院長先生との交流に焦点を当て、30~40件くらい見学に行きました。

将来開業を目指している勤務医に対して、アドバイスをお願いします。

ここまで様々な経験をお話しましたが、その他のことで言えば開業地選びのことですね。開業地は数千件の物件から選びました。それが結果として、マーケティングとマネジメントに困らないことに繋がっています。

 

例えば、田舎すぎると、患者様は来るけど、スタッフは来ない。逆に都会すぎると、患者様は来ないけど、スタッフは来る。

 

そこを見極めて開業したほうが良いと思いますね。

 

また、失敗というか、もっと学んでおけばよかったと思うのは、もし可能なら歯科医師2名で開業する方が良かったかもしれないということでしょうか。僕の場合のように歯科医師1名だと、自分の時間が全く確保できないんですよ。

 

だから、歯科医師2名、歯科衛生士2名、受付とTC2名の6名で開業したほうが良かったのかもしれない。僕は歯科医師1名で、合計5名で開業しました。6名で開業だと経営的な数値は変わるかもしれないけれど、時間の確保はもう少しできていたかもしれませんね。