どの組織でも上位20%に入る歯科医師だけが開業後も成功する<Drプレミアムマッチング>


<「パレートの法則」と「開業する歯科医師の割合」>

イタリアの経済学者パレートが提唱した「パレートの法則」を聞いたことがあるでしょうか? 

 

そんなこと、歯科医師としての転職に関係あるの?

歯科医院を開業することにビジネススキルや知識が必要なの?

そう思われる方もいるかもしれませんが、歯科医師人生も、こうした世の中の法則から逃れることはできません。

 

このパレートの法則は「成果の80%は全体の20%の人が出している」「全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出している」という理論です。「ばらつきの法則」や「80対20の法則」とも呼ばれています。

 

前のコラムでも書いた通り、経営者(院長)になるためには、単に歯科医師として「インプラントが上手」「矯正ができる」だけでは能力、スキル的に足りません。

 

世の中では、経営者になる人の割合は100人に1人程度と言われています。しかしご存知のように、歯科医師の場合は、この割合はかなり多くなります。現在は女性歯科医師も増えているため、開業しない歯科医師も増えていると思われますが、歯科医師の50%程度は開業をしているといわれています。

 

この割合を見ると、一般的に「経営者」としてのスキルが不十分なままに経営者(院長)になっていく歯科医師の数はかなり多いものと推測されます。

 

こうした前提を知ったうえで、歯科医師としてどうキャリアアップしていくのか?という作戦を立てることも重要です。

<どんな歯科医院でも、上位20%の使える歯科医師人材になる>

一般的に、勤め人時代に「抜きんでた成果を出した実績がある人しか経営者になれない」といわれています。

 

そうした面から歯科開業を考えると、成功できる人は、勤務医時代に「抜きんでた成果」を出していることが一つの判断基準になるといえるでしょう。

 

抜きんでた成果には、もちろん「診療実績」があげられるます。医院の戦略や方針、規模により一概には言えませんが、最低でも保険診療で30万点~、自費診療で100万円以上は、コンスタントに上げる力がなければ一定規模の医院を作っていくことは難しいでしょう。

 

さらに勤務医時代には、集患やスタッフ採用、設備の管理など、院長がマネジメントをしてすべてのお膳立てをしてくれたうえで「ほぼ診療のみ」に集中できる環境にありますが、この事実に気が付いているかどうかも大切です。

 

売上は「自分の力」と勘違いしている場合は、開業後に多くのつまづきを経験することになるでしょう。

 

勤務医時代に「抜きんでた成果を出す」ために、診療実績以外で大切な観点は、院長のマネジメント負担を肩代わりすることです。診療実績で立派な数字を出しながらも、「あいつがいろいろと動いてくれているから助かっている」という評価を院長からもらえる方は、開業後も成功する確率は高いでしょう。

 

<給料をもらいながらマネジメントを学ぶ>

では、歯科医院に勤務しながら、院長の「マネジメント負担」を肩代わりするとは、具体的にどのようなことがあげられるでしょうか。

 

「人材育成・教育」

新しいスタッフの教育、後輩ドクターの育成等は、手間暇がかかりますが、自分自身の見返りは少ないものです。しかし、こうした自分の見返りのためじゃないことのために、大切な時間やエネルギーを使っている人には、目に見えない「信用」や「徳」のようなものが生まれます。

この「信用」や「徳」が、歯科医院開業後に「人を使う力」や「スタッフが協力してくれる説得力」に転化していきます。

 

「仕組みづくり」

歯科医院もスタッフ数が多くなると、さまざまなクオリティ管理が必要になります。

診療にもルールや手順を決めて、新しいスタッフにも、その手順に則って仕事を覚えてもらうことが医院を維持する条件になります。

 

・治療の説明はどのタイミングで、誰が、どんな内容を話すのか?

・治療説明の標準化のためのツールは何を使うのか?

・定期検診やメンテナンスの啓蒙はどのようにもれなく行うのか?

・治療中断を防ぎ、予後にも責任を持つためにどのように患者さんの理解を高めていくのか?

 

こうした取り組みには、「仕事の構想力」「他のスタッフを巻き込んだり、説得する力」「各セクション間や、院長とスタッフ間を調整する力」など、リーダーシップやマネジメント力が必要になりますが、院内でこれをできる人材は限られています。通常は、院長か、運が良ければ優秀なチーフがいる程度です。

この部分を、院長に変わって代行することで、開業後に学ぶべきマネジメントを予習することになります。

 

「人間関係の調整役」

歯科医院は、企業ほど大きな組織になることが少なく、人間関係の密度が濃厚です。さらに、企業経験者が少なく「会社の論理」を知らない女性スタッフが多いため、組織運営はとても繊細に行う必要があります。

会社のように、指示命令だけで仕事を進めるとうまく回らない。人間関係の良しあしが、診療現場に持ち込まれるということも数多くあります。

こうした人間関係を調整するために、院長に変わって、スタッフの話を聞き、コミュニケーションの潤滑油になるような働きができる方は、歯科医院開業後もスタッフと良い関係を構築することができるでしょう。

 

以上、3つの視点を紹介しましたが、どの仕事も「手間暇がかかる割に、見返りや評価は少ない」ものばかりです。

 

しかし将来開業を考えている方にとっては、給料をもらいながら、将来のための予習をさせてもらえると捉えることも可能です。開業準備に十分ということはありません。現在の持ち場でできる限りの経験値を蓄積することをお勧めします。

 

Drプレミアムマッチングでは、臨床だけではなく、マネジメントの学びもできるクリニックへのマッチングを行っています。

 

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